発行日 2002年12月1日
Published Date 2002/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2003111256
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58歳女.意識障害を主訴とした.41歳時に右乳房全摘術と放射線療法を受けたが,7年後より心外膜炎,心タンポナーデ,周辺組織の線維性肥厚,胸水貯留などを発症した.51歳時に右室に接する腫瘤を認め,経過観察されていた.徐脈誘発性torsade de pointes型心室頻拍(VT)を認めたため,硫酸Mg,イソプレナリン持続点滴を行った結果,意識レベルは清明となった.また,経食道心エコーで,右室外壁の腫瘤が著明に増大して右室流入路に突出し,三尖弁輪部の狭窄を認めた.癒着と硬化が強いため腫瘤摘出はせず,恒久的ペースメーカー心筋電極植込術を行った.第116病日に右心不全が増悪し死亡した.今までに,放射線障害による筋線維化で右室流出路の肥厚による肺動脈漏斗部狭窄の報告は7例で,右室流入路の右室壁が肥厚して腫瘤状に突出し,三尖弁輪部の高度な狭窄をきたした例は稀である
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