GERD診療の最前線 胃酸逆流への対応
GERDの基礎知識 Helicobacter pyloriとGERDの逆相関関係
山地 裕
1
,
小椋 啓司
,
岡本 真
,
川邊 隆夫
,
小俣 政男
1東京大学 消化器内科
キーワード:
ヘリコバクター感染症
,
Helicobacter pylori
,
胃炎-萎縮性
,
胃食道逆流
,
除菌療法
Keyword:
Gastritis, Atrophic
,
Gastroesophageal Reflux
,
Helicobacter pylori
,
Helicobacter Infections
pp.594-597
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007018828
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胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃癌などとの関連が知られているHelicobacter pyloriは、GERDとは逆の関連があることが示唆されている。GERD患者におけるH.pylori感染率が対照より低いこと、H.pylori除菌療法によりGERDが新たに発生したり、GERDのコントロールが不良となることなどが報告されている。H.pyloriによって惹起される萎縮性胃炎により、胃酸分泌の低下をきたし、GERDに対して防御的に働くことが考えられている。H.pylori感染により萎縮性胃炎をきたす頻度が高いわが国においては、欧米の成績よりも強い逆関連が報告される傾向にある。
©Nankodo Co., Ltd., 2006