発行日 2002年5月1日
Published Date 2002/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2002198845
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65歳男.幼少時より難聴を有し精神発育は遅滞し,年に1~2回痙攣発作が出現した.20歳以降には痙攣発作は認められなくなったが,難聴と知的障害は残存した.意識消失を伴う強直性痙攣を生じ,精査目的で入院した.低Ca血症に伴う痙攣発作治療のためにcalcium gluconateの静脈注射を行った.血清Ca,血清intact-PTHは低下していた.副甲状腺機能低下症には,特発性副甲状腺機能低下症(IHP),偽性副甲状腺機能低下症の他に生物活性の低いPTHの分泌,PTHの抗体の存在PTHレセブターの異常等の様々な病態が存在するが,Ellsworth-Howard試験で良好な反応が認められたためIHPと診断した.診断後,1,25-dihidroxyvitamin D3の経口投与を開始した.血清Ca値は速やかに正常化したが,感音性難聴や知的障害は改善しなかった
©Nankodo Co., Ltd., 2002