臨床室
多房性嚢胞性病変を呈した膵癌原発転移性脊椎腫瘍の1例
織田 和樹
1
,
井関 雅紀
,
太田 雅人
,
松田 康孝
1北野病院 整形外科
キーワード:
MRI
,
Interleukin 2 Receptors
,
鑑別診断
,
脊椎腫瘍
,
X線CT
,
粘液腺癌
,
嚢胞
,
CA-19-9抗原
,
椎弓形成術
,
超音波内視鏡ガイド下穿刺吸引法
,
CYFRA21-1
,
膵管内乳頭腫瘍
Keyword:
Adenocarcinoma, Mucinous
,
Diagnosis, Differential
,
Cysts
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Spinal Neoplasms
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Receptors, Interleukin-2
,
CA-19-9 Antigen
,
Laminoplasty
,
Endoscopic Ultrasound-Guided Fine Needle Aspiration
,
Antigen CYFRA21.1
pp.1175-1179
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2018005479
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症例は60歳男性で、咳嗽症状2週間後、背部痛を生じ、右小環指しびれ、手指脱力が出現した。右小環指に感覚鈍麻を認め、C7髄節以遠に徒手筋力テストで3~4の筋力低下を認めた。上下肢腱反射は正常で病的反射はなく、歩行障害や膀胱直腸障害はなかった。単純X線でC5/C6に軽度頸椎症性変化がみられ、MRIでC2~Th1レベルの硬膜管腹側に多房性嚢胞性病変を認めた。C7椎体にはMRIのT2強調画像でheterogenousな輝度変化を認めた。造影MRIでは多房性嚢胞性病変辺縁に造影効果がみられた。画像所見、血液検査等より、悪性リンパ腫などの血液系腫瘍および膵悪性腫瘍の存在を疑い生検を考慮する中、脊髄症状が悪化し四肢不全麻痺進行を認め緊急で、椎弓形成術による後方除圧を行った。組織診より頸椎病変は膵臓原発悪性腫瘍の転移性脊椎腫瘍と診断した。術後、ADLは屋内伝い歩きまで改善し、外来通院にて化学療法中である。
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