発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013081449
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12ヵ月以上通所介護事業所で運動機能訓練を受けた要支援1・2の利用者55例(男性8例、女性47例、年齢55~94歳、平均年齢79歳)を対象に、介護保険を利用した高齢者の運動機能訓練の効果について検討した。その結果、1)TUG(timed up and go test)は運動開始初回時に比べ12ヵ月後には6%改善していたが有意差は認められなかった。2)初回時に比べ12ヵ月後に5m最大歩行速度は13%、開眼片脚立位時間は2%改善、膝伸展筋力は初回時に比べ12ヵ月後に11%改善したが、いずれも有意差はみられなかった。また、握力は初回時に比べ3ヵ月・6ヵ月・12ヵ月ともに低下していたが有意差はなかった。3)全項目において初回時に比べ、3ヵ月、6ヵ月、12ヵ月時で有意差は認められなかったが、加齢に伴う運動機能低下はみられなかった。以上より、高齢者に対する中等度の運動強度(最大筋力の30%以下)での訓練は、運動機能維持に有用と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2012