発行日 2012年4月1日
Published Date 2012/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012220024
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症例は31歳男性で、プロバレーボール選手で、少年期からバレーボールを始めていたが、練習後に下腿三頭筋の突っ張りと足関節の背屈制限を自覚していた。数年前よりプレー中に足関節前方の疼痛があり、チームドクターより貯留関節液の穿刺排液や副腎皮質ホルモンの関節内注射などを受けていたが改善せず、紹介受診した。足関節の可動域(ROM)は両側で背屈0°、底屈50°であった。3-DCTで脛骨前外側を中心に骨棘形成を認め、左側には関節内遊離体が存在していた。手術を施行し、距骨には骨棘とのインピンジメントにより形成されたと考えられる軟骨損傷の溝を、足関節前方の関節包には炎症性滑膜の著明な増生が認められた。骨棘を十分に削り取り、足関節底・背屈によって脛骨と距骨が衝突しないことを確認した。術翌日よりROM訓練と歩行を開始し、10ヵ月経過して足関節前方の疼痛は消失し競技復帰も果たしたが、練習後に下腿後面痛があり、足関節背屈ROMの改善はみられない。
©Nankodo Co., Ltd., 2012