発行日 2011年8月1日
Published Date 2011/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011338937
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正常80肘関節を対象に、X線屈曲位側面像における前方の脂肪体(fat pad)の形状・位置・大きさの特徴を検討した。その結果、正常の前方fat padは全て上腕骨小頭滑車まで続いていること、かつfat padの前縁が上腕骨小頭前縁を越えないことが特徴であった。次いで、異常前方fat padまたは後方の脂肪体徴候(FPS)を認めた36肘関節について検討した結果、異常前方fat padは前縁が下方に広がり、下縁が大きく遠位部を底面とした三角形状で、下縁が水平か丸く凹んだ形を示し、かつ三角形の下縁が上腕骨小頭三角形の上縁から数mm離れているのが特徴であった。更に、36関節の前方FPS(異常前方fad pad)と後方FPSの関連を調査したところ、全例が前方FPS陽性であったが、後方FPSは必ずしも陽性ではなく、後方FPS陽性例では前方FPSが大きい傾向であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011