発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006225131
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膝前十字靱帯(ACL)再建術例を対象に,ドリルのみで骨孔を作成した19例(男7例・女12例,平均27歳:A群)と,ドリルの骨孔をtunnel dilator(TD)で拡径した21例(男11例・女10例,平均25歳:B群)の術後経過を比較した.骨孔壁の硬化は,両群とも術後6ヵ月時点で1例を除き全例に認め,3ヵ月時点ではA群4例,B群10例であった.骨孔の拡大停止は,6ヵ月時点では両群とも9割に認め,3ヵ月時点ではA群2例,B群10例であった.骨穴形態は,両群とも前後像でマッシュルーム型,側面像でリニア型が多かった.拡大停止後の最終骨孔拡大量は,前後像でA群が近位部6.9mm,中央部3.5mm,関節開口部3.2mm,B群は各々4.9mm,2.4mm,2.3mmと有意差を認めた.側面像ではA群が各部とも2.2mmで,B群は1.0mmと有意に小さかった.脛骨前方移動量腱患側差とLysholmスコアは,術後1年で両群とも有意な改善を認め,両群間に有意差はなかった.TDの使用による術後の骨孔拡大抑制が示された
©Nankodo Co., Ltd., 2006