発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005202429
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12歳男児.右膝関節痛を主訴とした.サッカーの試合中,ボールを蹴った際に症状が出現した.単純X線,MRI各所見より,Sinding-Larsen病(右膝stage III,左膝stage II)と診断た.なお,脛骨結節部はapophysial stageとなっていた.初診後もサッカーを続けたが初診1ヵ月後に左膝関節痛が出現したため,1ヵ月間のスポーツ中止と安静とし,その後,症状は改善した.スポーツの再開後,両側脛骨結節部に疼痛が出現したため,Osgood病を併発したと診断した.Osgood病用サポーターと膝蓋骨上部を抑えるパッドを追加した装具を着用し,疼痛が軽減した.7ヵ月後の単純X線所見で,両側膝蓋骨下側石灰化部と膝蓋骨の癒合を認め,左脛骨結節部はepiphysial stageで,二次性骨化中心と脛骨近位の骨中心が癒合していた.なお,両側Sinding-Larsen病とOsgood病の合併例の報告は稀で,Osgood病片側併発2例,両側併発は本例を含めて4例であった
©Nankodo Co., Ltd., 2005