発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004148686
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66歳男.ボールを投げた瞬間に右肩に激痛が走り動かせなくなった.右肩は軽度内旋位の状態で,X線にて肩関節脱臼を認め,経胸側面像にて骨頭が肩甲骨の後方に位置していた.斜角筋ブロックを行い,徒手整復を行った.その後,右肩挙上障害がみられ,又,右棘上筋,棘下筋の筋萎縮が明らかとなった.受傷後4週のCTで骨頭の前方亜脱臼が認められたが明らかな骨傷は認められず,受傷後2週のMRIで棘上筋腱及び棘下筋腱の欠損部,滲出液の貯留を認め,棘上筋腱及び棘下筋断裂の所見がみられた.受傷後7週の肩関節造影では造影剤の漏出が認められ,腱板広範囲の断裂所見がみられた.腱板広範囲断裂と診断し手術を行った.術後6ヵ月のX線像で上腕骨頭の上方への偏移が認められ,日本肩関節学会肩関節疾患治療成績判定基準は72点であった
©Nankodo Co., Ltd., 2004