発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003252317
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
肩関節のスポーツ障害(反復性肩関節脱臼・亜脱臼と肩関節唇損傷)に対する手術的治療の有効性と限界について述べた.反復性肩関節脱臼・亜脱臼に対しては,外旋制限ができるだけ少なく,再外傷に対しても安定した肩関節の再建を目的に,従来のBankart法にBristow法を組み合わせ,主にレベルの高いコンタクトスポーツ選手47例に試みた.その結果,JSSスポーツスコアは術前平均60点から99点に増加し,全ての症例でもとにスポーツに復帰して,レベルも受傷前の状態に達した.再脱臼,再亜脱臼例もなかった.限界としては,スクリューの折損等の問題があった.肩関節唇損傷については,特にレベルの高い野球選手36名を対象に観血的治療を試みた.術後,野手症例の満足度は高く,もとの守備位置でプレーが可能であったが,投手9例中3例は投球時疼痛が残存し,不満足であった.手術治療は術後のリハビリテーションも含めて,復帰まで十分な期間をかけることができる選手を対象にすべきである
©Nankodo Co., Ltd., 2003