外科におけるcontroversy-誌上ディベート
リンパ節転移1~3個の場合の乳房切除後放射線治療 施行すべきか? 施行する
多田 敬一郎
1
1東京大学 乳腺内分泌外科
キーワード:
腫瘍再発
,
リンパ行性転移
,
乳房腫瘍
,
乳房切除術
,
放射線障害
,
アジュバント放射線療法
,
センチネルリンパ節生検
Keyword:
Breast Neoplasms
,
Mastectomy
,
Lymphatic Metastasis
,
Neoplasm Recurrence, Local
,
Radiation Injuries
,
Radiotherapy, Adjuvant
,
Sentinel Lymph Node Biopsy
pp.402-404
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017258584
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2014年にEarly Breast Cancer Trialists' Collaborative Group(EBCTCG)より1個から3個までのリンパ節転移陽性乳房切除後乳癌の放射線療法の有用性が公表された.このグループの患者に,報告どおりに放射線照射を追加すべきか否かが議論になっている.議論のポイントは,薬物療法などの今日の医療が進歩していると考えられること,特に日本では局所再発率がより低いのではないかと推定されること,あるいは放射線照射による合併症が増加することなどである.ただ,この研究をこれらの視点から批判的に吟味しても,術後放射線療法の有用性を否定しうるほどの要因は認めなかった.したがって,1個から3個までのリンパ節転移陽性乳房切除後乳癌に対して術後放射線療法は実施すべきと考える.
©Nankodo Co., Ltd., 2017