発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015149841
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
74歳男。近医通院中、偶然に膵腫瘤を指摘され当院紹介となった。腹部単純・造影CTで膵尾部に約70mm大の嚢胞性腫瘤を認め、壁の一部には結節様構造物を認めた。壁には軽度造影効果を認めたが、結節様構造物には認めなかった。腹部MRIでは膵尾部にT1強調像にて低信号、T2強調像にて高信号の腫瘤を認め、T2強調像では壁の一部に結節様構造物を認めた。MRCPで腫瘍と主膵管との交通は認めなかった。膵尾部由来の嚢胞性腫瘍で、悪性疾患の可能性も否定できないことから、膵体尾部切除術および脾臓摘出術を施行した。病理組織学的に悪性所見は認めず、膵リンパ上皮性嚢胞と診断された。術後膵液瘻を来したものの保存的に軽快し、術後28日目に退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2015