発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006291051
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近年の画像診断の進歩には目覚ましいものがある.大腸疾患に関しては,注腸造影検査と大腸内視鏡検査が二本柱で,これに遠隔転移を診断するため腹部超音波検査・CT検査を付加するのが標準的であったが,これら検査の位置づけにも変化が現れつつある.本稿では,すでに一部で臨床応用されているものを中心に,最近の画像診断の進歩について概説した.CT colonographyはmulti detector row CTのデータから,大腸内視鏡類似画像を構築する検査法で,複数の施設から従来の光学内視鏡に肉薄する成績が報告されている.狭窄を伴う病変がある場合など,全大腸内視鏡検査ができない症例では,光学内視鏡以上の情報が得られることもある.PETに関しては,短期の病変同定率の向上のみではなく,生存率に寄与するとの報告や,癌の前駆病変に対する診断能も報告された.大腸内視鏡の分野では,従来の色素内視鏡の診断能をさらに向上させる試みとして,フィルターによる画像改変や新規薬剤の散布も試みられている.従来の検査と新しい検査の長所・短所をよく理解し,適切な選択を行うことが重要である
©Nankodo Co., Ltd., 2006