発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010071377
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62歳女。患者は動悸を主訴とした。近医で心房粗動と診断され、抗凝固療法とレートコントロールで経過観察されていたが、心房粗動が持続するためカテーテルアブレーションを目的に入院となった。アブレーション施行中、冠状動脈造影等で左冠状動脈主幹部から分岐し、末梢側での瘤化を伴う冠状動脈右心房瘻が認められたが、腫瘤影は52.4×49.5mmと巨大であり、破裂の可能性もあることから、アブレーション後に体外循環下、胸部正中切開で冠状動脈瘻結紮術が行なわれた。その結果、病理所見では冠状動脈瘤に内弾性板を持つ動脈壁構造がみられ、また中膜の石灰化も認められ、動脈硬化の一部と考えられた。経過は良好で、造影CT上では瘤状影は縮小しており、退院後も動悸発作、心房粗動は認められていない。尚、冠状動脈瘻に合併した嚢状冠状動脈瘤が原因と思われる非通常型心房粗動の報告はこれまで認められていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2009