発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005130142
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1歳6ヵ月女児.生下時から心室中隔欠損(VSD)I型と診断され,5ヵ月時から右冠尖逸脱による大動脈弁逆流が出現した.1歳6ヵ月時に全身麻酔下にVSD閉鎖術が行われ,手術から約20時間後に突然の徐脈から心停止となり,全身の強い硬直と著しい高炭酸血症および高カリウム血症を認め,心室細動に移行した.大動脈弁形成術を行い,術後に補助循環は安定して維持できるようになったが,出血傾向と全身浮腫により徐々にその維持が困難となり,術後5日に低心拍出量症候群と多臓器不全のため死亡した.異常発現後の尿中Mb,血清CPKが急上昇しており,経過から悪性高熱症を疑い,死亡前に筋生検を行った.筋生検病理組織像は悪性高熱症の所見に一致し,筋の免疫組織化学的染色ではジストロフィンのモザイク型の欠損を認め,Duchenne型筋ジストロフィーの保因者と判定された.最終的に,筋ジストロフィーの保因者である患児に発症した遅発性悪性高熱症と診断した
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