養成施設卒業研究誌上コンペ
透析治療における溶質濃度の時間変化特性の解析
嶋田 勝仁
1
,
市村 領佑
,
高田 龍弥
,
中川 益生
1岡山理科大学 理学部応用物理学科医用科学専攻
キーワード:
血液透析
,
尿素
,
生物モデル
,
血液透析液
,
時間因子
Keyword:
Renal Dialysis
,
Models, Biological
,
Time Factors
,
Hemodialysis Solutions
,
Urea
pp.720-721
発行日 2015年6月25日
Published Date 2015/6/25
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- 文献概要
透析治療中に適切な透析条件を予測するための研究において、血液中と透析排液中の尿素濃度の時間的変化を詳細に測定したところ、透析の経過時間の関数としてプロットした血液中尿素濃度の対数は1本の直線には一致せず、1プールモデルでは説明できない途中で折れ曲がった特性を示した。このため体液を細胞内外に分ける2プールモデルに基づいて、尿素濃度の数値解析を行った。細胞膜のダイアリザンスDBと細胞内液の初期尿素濃度CI(0)を未知の値として扱い、数値解析を行った結果、透析中の尿素濃度の時間変化CB(t)あるいはC D(t)から、DB、CI(0)を推定する方法が見出された。透析の効率に関してDBが著しく影響するため、透析治療の条件を決める新しい指標としてDBの値を利用できる可能性が示唆された。
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