画像による病変の由来部位の診断
第1章 中枢神経 1. テント上を中心に脳表から頭蓋骨 ーintraaxial vs. extraaxialー
神谷 昂平
1
,
國松 聡
1東京大学 大学院医学系研究科放射線医学講座
キーワード:
クモ膜下腔
,
硬膜
,
MRI
,
腫瘍侵入性
,
鑑別診断
,
頭蓋骨腫瘍
,
軟膜
,
テント上腫瘍
,
灰白質
Keyword:
Dura Mater
,
Diagnosis, Differential
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Neoplasm Invasiveness
,
Pia Mater
,
Subarachnoid Space
,
Skull Neoplasms
,
Supratentorial Neoplasms
,
Gray Matter
pp.s10-s21
発行日 2017年3月10日
Published Date 2017/3/10
DOI https://doi.org/10.15105/J00235.2017167825
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頭蓋内病変では,脳実質内(intraaxial)と脳実質外(extraaxial)の鑑別を常に意識する.灰白質との位置関係や,脳表の動静脈が手がかりになる.
脳実質外では,軟膜・くも膜・硬膜の解剖を理解する.血腫の局在診断や,髄膜の造影効果のパターン分類(硬膜-くも膜vs.くも膜-軟膜)はよく知られている.脳脊髄液や間質液の動態については最近も新たな発見があり,病態と画像を結びつけるために今後も知識のアップデートが必要である.
局在診断,なかでも脳実質内と脳実質外の鑑別は,診断を絞る非常に強力なステップである.それだけに,確信がもてない場合には,無理にどちらかに決める危険を冒さないよう気をつける.時には(もちろん局在を定めるための努力は十分にした上で)脳実質内・外の判断はいったん保留にし,他の攻め手を探す柔軟な姿勢ももつ.
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