画像診断と病理
管内増殖型の膵腺房細胞癌
紺野 義浩
1
,
鹿戸 将史
1
,
宇都宮 文
2
,
二口 充
2
1山形大学医学部放射線診断科
2山形大学医学部病理学講座
pp.1182-1183
発行日 2021年9月25日
Published Date 2021/9/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000002530
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
60歳台,男性.高血圧で通院中,重症糖尿病が判明した.入院時に行ったスクリーニングCTにて,主膵管拡張と膵尾部側での膵実質の萎縮が指摘された.ダイナミックCTでは膵頭部主膵管内を占める充実状腫瘤が認められ, 病変は膵実質に比して低吸収で,ごく淡い濃染がみられた(図1;→).ERP(endo scopic retrograde pancreatography)では拡張した主膵管内を充満するように,乳頭部近傍から3cm程度の鋳型状の造影欠損を認め(図2-A;→),IDUS(intraduclal ultra sonography)では腔内を占める充実状腫瘤がみられた(図2-B;→).膵液細胞診では,細胞質粘液の乏しい細胞に軽度の核腫大や大小不同,クロマチン増加がみられた.悪性病変が強く疑われ,膵頭十二指腸切除術が施行された.
Copyright © 2021, Gakken Medical Shujunsha Co., Ltd. All rights reserved.