特集 時系列から学ぶ中枢神経疾患の画像診断-MR Retroscopy-
Ⅲ.天幕下(脳幹・小脳) 1 若年成人の単発性中脳結節状病変 ― 脱髄性病変? 炎症性・肉芽腫性病変?
岡本 浩一郎
1
,
吉村 淳一
2
1新潟大学脳研究所トランスレーショナル研究分野
2新潟大学脳研究所脳神経外科学分野(現 長野赤十字病院脳神経外科)
キーワード:
胚腫
Keyword:
胚腫
pp.1088-1091
発行日 2020年8月25日
Published Date 2020/8/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000001854
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20歳台,男性.現病歴: 7年前頃より右顔面,右手足の感覚が少し鈍い,右耳の聞こえにくさ,集中力低下を自覚した.2年前の春,複視に気づく.集中力が次第に低下したが,精神的なものと思い経過をみた.某月,近医眼科受診し,斜視として矯正眼鏡をかけたが効果がなかった.翌月,右眼瞼の重い感じが1~2か月持続したが自然に軽快した.翌々月から頭重感あり,某大学病院眼科・精神科受診し,軽いうつ傾向といわれた.初診から4か月後に頭部単純MRI(図1),その2か月後に体幹部CT を撮影.頭部MRIで中脳に結節状病変を認めたが,体幹部CT では異常なく,同院脳外科に入院した.同月10日後に撮像された頭部MRI(図2)で病変は縮小しているとのことで,当院に紹介され入院した(図3).既往歴: アトピー性皮膚炎.家族歴: 両祖父は胃癌.父はうつ病,パニック障害で通院中.近親婚,類症なし.
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