画像診断と病理
粘液性嚢胞腫瘍
冨士 智世
1
,
西田 俊博
2
,
福田 三郎
3
,
立神 史稔
4
,
中村 優子
4
,
粟井 和夫
4
1県立広島病院放射線診断科
2中国労災病院病理診断科
3中国労災病院外科
4広島大学病院放射線診断科
pp.650-651
発行日 2020年5月25日
Published Date 2020/5/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000001729
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40歳台,女性.心窩部痛を主訴に受診し,腹部超音波検査にて上腹部に巨大な嚢胞性病変を指摘された(非提示).血液検査ではCA19-9が265.1U/mlと上昇していた.単純CTにて,膵体尾部腹側に複数の隔壁を有する16cm大の境界明瞭な嚢胞性腫瘤を認めた(非提示).造影CT(図1)では,この隔壁は比較的薄く均一で,造影効果はごくわずかであった.MRIのT2強調像では,嚢胞内部は比較的均一な高信号を呈していた(図2).造影MRIでは結節などの明らかな悪性所見は指摘しえず,拡散強調像でも明らかな拡散低下は認められなかった(非提示).腫瘤は被膜を有し,周囲組織への明らかな浸潤はみられなかった.MR cholangio pancreatography(MRCP)では膵管の拡張は伴わず,膵管との交通も認められなかった(非提示).
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