画像診断と病理
樹枝状肺骨形成
井上 大
1
,
蒲田 敏文
1
,
松本 勲
2
,
池田 博子
3
1金沢大学附属病院放射線科
2金沢大学附属病院呼吸器外科
3金沢大学附属病院病理部
pp.958-959
発行日 2019年7月25日
Published Date 2019/7/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000001270
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30歳台,男性.喫煙歴,粉塵曝露歴なし.検診の胸部単純X線写真にて異常陰影を指摘され,前医を受診.胸部CTでも異常陰影を指摘され,気管支鏡などの検査を施行されるも診断に至らず,無症状であったため,経過観察の方針となった.約3年の経過で陰影が緩徐に増悪したため,精査加療目的に当院を受診した.当院で施行した胸部CTで,病変は両側中下肺野優位に気管支壁の肥厚と線状影,索状影を認め,一部小葉間隔壁も肥厚していた.また,これらの陰影に沿って,石灰化もしくは骨化を思わせる線状,分枝状の高吸収域が多発していた.陰影は約3年の経過で緩徐に増悪傾向で,石灰化・骨化陰影も増加傾向であった.血液検査では,特に異常所見はみられなかった.画像所見から樹枝状骨形成のほか,サルコイドーシスやアミロイドーシスが鑑別に挙がったことから,診断確定のため,胸腔鏡下右下葉部分切除術を施行した.
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