特集 サインから読み解く婦人科画像診断
1. 卵巣疾患に関連するサイン 11. Black garland-like appearance
竹内 麻由美
1
,
原田 雅史
1
,
松崎 健司
2
1徳島大学医学部放射線科
2徳島文理大学診療放射線学科
キーワード:
卵巣線維腫症
Keyword:
卵巣線維腫症
pp.900-901
発行日 2017年7月25日
Published Date 2017/7/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000000041
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- 文献概要
black garland-like appearance(BGLA)は,卵巣線維腫症(fibromatosis)に特徴的なMRIのサインとして報告された1).卵巣線維腫症は1984年にYoungらにより提唱された2),非腫瘍性の卵巣腫大を来す原因不明の稀な腫瘍類似疾患である.若年女性(平均25歳)に好発するが,閉経後の発生例もある.名称が似ている性索間質性腫瘍の卵巣線維腫や,腹壁や腸間膜に発生する線維腫症(デスモイド)とは全く異なる病態であり,既存の卵巣組織を取り巻くように線維増生を伴った紡錘形細胞が増殖する病態で,時に両側の卵巣が侵される.一方で,卵巣の一部のみに線維増生を認める症例もある.月経異常や腹痛が主症状だが,しばしば無症状で偶然に発見されることも多い.稀にホルモン活性により男性化や多毛を来し,摘出により症状は改善する.発症年齢や症状などの臨床的な類似から,広汎性浮腫(massive edema)との関連も示唆されている.
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