特集 サインから読み解く婦人科画像診断
1. 卵巣疾患に関連するサイン 4. Black sponge-like appearance
竹内 麻由美
1
,
原田 雅史
1
,
松崎 健司
2
1徳島大学医学部放射線科
2徳島文理大学診療放射線学科
キーワード:
腺線維腫
Keyword:
腺線維腫
pp.886-887
発行日 2017年7月25日
Published Date 2017/7/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000000034
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black sponge-like appearance(BSLA)は,卵巣嚢胞腺線維腫に特徴的なMRIのサインとして報告された1).2014年に改訂されたWHO分類では,良性の卵巣上皮性腫瘍で嚢胞成分が主体のものを嚢胞腺腫,線維性間質の増殖が目立つものを腺線維腫と呼び,両者が混在して充実部を伴った嚢胞性腫瘤の像を呈する嚢胞腺線維腫という名称は分類表から削除されたが,実際には充実部のみの純粋な腺線維腫は稀である.腺線維腫は,漿液性,粘液性,類内膜性,明細胞性のいずれの組織亜型でも認められ,漿液性が最も多く粘液性がそれに次ぐ.いずれの年齢層にも発生するが40歳台に好発し,無症状で偶然に発見されることが多く,稀にホルモン活性を呈することもある.病理組織学的に腺線維腫の部分には,内部に腺組織が散在する密な線維性の間質増殖を認め,肉眼像では硬い線維腫様の割面に,小さな腺管による小腔が散在する特徴的な像を呈する(図1).
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