特集 サインから読み解く婦人科画像診断
3. 子宮疾患に関連するサイン 1. Fern leaf-like appearance
竹内 麻由美
1
,
原田 雅史
1
,
松崎 健司
2
1徳島大学医学部放射線科
2徳島文理大学診療放射線学科
キーワード:
絨毛腺管癌
Keyword:
絨毛腺管癌
pp.912-913
発行日 2017年7月25日
Published Date 2017/7/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000000044
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fern leaf-like appearance(FLLA)は,子宮頸部に発生する内頸部型粘液腺癌の稀な一亜型である絨毛腺管状粘液性腺癌(mucinous adenocarcinoma,villoglandular type)に特徴的なMRIのサインとして報告された1).1989年にYoungらにより記載された本疾患は2),2014年に改訂されたWHO分類では,絨毛腺管癌(villoglandular carcinoma)として粘液性癌から独立した組織亜型に再分類された.頸部腺癌の約4%と稀な病態であり,シダの葉(fern leaf)様を呈する絨毛状の外向性発育を特徴とする2)3).若年者に好発(平均37歳)する比較的予後が良好な腫瘍とされるが,分化度が高く細胞異型に乏しいため,浸潤癌でも細胞診で偽陰性に出ることがあり,注意が必要である2)3).また,早期診断により妊孕性を温存した縮小手術による対応も可能であり,画像診断が重要な疾患と考えられる.
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