特集 オプトジェネティクスを用いた神経機能操作の現在地:光で行動をコントロールする
海外注目論文解説 遺伝子発現の光制御とその応用の可能性
磯村 彰宏
1
,
今吉 格
1
1京都大学ウイルス研究所
pp.286-289
発行日 2014年2月22日
Published Date 2014/2/22
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
近年,光作動性のイオンチャネルやイオントランスポーターをニューロンに発現させ,ニューロンの神経活動を光照射によりコントロールする技術(オプトジェネティクス,光遺伝学)が開発され,神経回路研究において爆発的に普及してきている1) .特異的な遺伝子発現を誘導できるようなウイルスベクターに,これらの光作動性イオンチャネルやイオントランスポーターを搭載して発現させることで,神経回路を構成する特定のニューロンの機能を詳細に調べることが可能になってきた.また,ウイルスベクターをマウスやサルなどのモデル動物個体に感染させ,光ファイバーを脳内に挿入して光照射を行うことで,光作動性イオンチャネルやイオントランスポーターを発現させたニューロンの機能を,個体レベル・行動レベルで解析することも可能になっている.また,オプトジェネティクスツールを発現する遺伝子改変マウスの整備も精力的に進んでいる.
Copyright © 2018, Gakken Medical Shujunsha Co., Ltd. All rights reserved.