第1特集 ジェネラリストの「肝」どころ
かかりつけ医として覚えておきたいこと
自己免疫性肝疾患をどう見抜く?
中野 弘康
1
1竹山病院 内科
pp.606-609
発行日 2026年4月1日
Published Date 2026/4/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2026050011
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はじめに
本稿では,実臨床で自己免疫性肝疾患をどう見抜くかという切り口で,慢性肝障害を眺めてみたい.まず原則を述べる.どんな肝障害であっても,onset とtime course を認識することを常としたい.総論の項目(p.12)を参考に,眼前の患者がいつから肝障害に侵され,どのくらいの期間,(肝障害に)病悩していたのか,その軌跡図を頭のなかに思い浮かべてほしい.
そして,慢性肝障害と判断したら,etiology の検索が必須である.ウイルス性(HBV/HCV),脂肪肝,薬剤性,自己免疫性肝疾患,そのほか(甲状腺疾患やWilson 病など)を鑑別の軸として展開する.
ここで,慢性肝疾患に限って述べれば,本稿で扱う自己免疫性肝疾患とは,ずばり,自己免疫性肝炎(autoimmune hepatitis:AIH),原発性胆汁性胆管炎(primary biliary cholangitis:PBC),原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis:PSC)の3病態である.日常臨床で遭遇する可能性の高い病態順でいえば,PBC>AIH>PSCとなろう.この3 疾患は,自己免疫性病態というくくりでいえば似ているが,実臨床でのclinical picture は全く異なる.その違いを押さえることができれば,本稿の目的は達成する.一つずつみてみよう.

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