第1特集 エコーを聴診器のように使おう!
こんなとき,エコーが活きる!
全身状態の評価(脱水・心不全)×エコー
-─体内水分バランスの可視化─
宇留間 優花
1
1市立稚内病院
pp.1704-1708
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2025130011
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はじめに
心不全の診断や管理において,プライマリ・ケア医がよく頼りにするのは症状や脳性ナトリウム利尿ペプチド(brain natriuretic peptide:BNP)値ではないだろうか.「下腿浮腫を認める」,「息切れがある」,「BNPが高い」という情報をもとに,利尿薬を投与するかどうかを決めるのは現場ではよくある光景である.しかしBNPは,腎機能や高齢,肥満などさまざまな因子に影響されるため,必ずしも心不全を正確に反映しているとは限らない.症状やBNPの値だけでは利尿薬を投与すべきか迷うことも少なくない.
心エコーも心不全評価に有用な情報が詰まっているが,「解釈が難しい」,「測定が複雑」というイメージが先行し,プライマリ・ケア医が活用しきれていないのが現状である.もし,心エコーをまさに「聴診器で心不全を診る」感覚で,病棟・外来・在宅医療など場所を問わずに使うことができたら心不全管理が格段に向上するのに── そう思ったことはないだろうか.
本稿では,プライマリ・ケア医が日常診療で使える心エコーの活用方法を解説する.

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