Japanese
English
特集 脱水を見逃していないか
脱水の治療と管理
心不全治療時の脱水と脳梗塞
Dehydration and Cerebral Infarction During the Treatment of Congestive Heart Failure
佐藤 伸逸
1
1秋田県厚生連由利組合総合病院循環器科
pp.516-518
発行日 1995年6月15日
Published Date 1995/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901529
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
■心不全治療中に脳塞栓症を併発した1例
患者 89歳,女性.
75歳より高血圧,糖尿病の治療を受け,88歳より心房細動となっていた.1994年10月21日より易疲労感,呼吸困難が出現したため,10月28日来院した.血圧162/90mmHg,脈拍不整,混合性ラ音を聴取した.心陰影拡大と肺うっ血像を認め,NYHA IV度の心不全として治療に当たったが,心不全は難治で大量のフロセミド・ブメタニドとともにドパミン・ドブタミン・アムリノンを併用してようやく肺うっ血は軽減した(図1).状態が安定したかにみえたが,11月27日よりせん妄を来すようになった.頭部CTでは左後頭葉に低吸収域が出現し(図2),梗塞の大きさ,分布から脳底動脈系の塞栓症による意識障害とみなされた.意識障害出現の前後でHt値が31.5%から37.9%へ上昇しており,この間の脱水の進行がうかがわれた.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.