特集 プライマリ・ケアでみる睡眠の悩み
総論:睡眠治療のアップデート
睡眠障害に対する西洋薬の使い方とやめ方
越智 紳一郎
1
1愛媛大学大学院医学系研究科 精神神経科学
pp.384-387
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2024040005
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はじめに
不眠は日常診療でよく診られるため,プライマリ・ケアにおいても睡眠薬を処方する機 会は多い.実臨床では睡眠薬以外に抗精神病薬などの向精神薬が併用されることもしばし ばあるが1),睡眠薬以外は適応外使用であることから本稿では睡眠薬についてのみ概説し, その他の向精神薬の説明は割愛する.バルビツール酸系やブロムワレリル尿素などの睡眠 薬も,現在処方する機会はほぼないため割愛する.ただし,ブロムワレリル尿素はわが国 の一般用医薬品(OTC薬)のなかに含まれていることがあり,慢性的な内服や過量服薬時 には意識障害やけいれん発作などのブロム中毒をきたし得るため,そのような症状を診る 際にはOTC薬の常用歴や過量服薬の有無も聴取する必要がある2).
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