特集 総合診療×脳梗塞
急性期:診断から急性期病院での治療,精査,退院まで
脳梗塞発症後に行う動脈硬化精査は何をするか?
伊波 菜緒子
1
,
川幡 翔太郎
1
1東京北医療センター 総合診療科
pp.1343-1346
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2023110006
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総論
脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患(cardiovascular disease:CVD)の既往がある患者 では,その後のCVDのリスクが高くなる.そのため,脳梗塞の既往がある患者への二次予 防は長年検討されている.脳卒中既往のある患者の脳卒中再発率は1960年代の8.7%/年 から,2000年代には5.0%/年となり40年間でほぼ半減しているという報告1)もある. 抗血小板薬による二次予防の普及は劇的に脳卒中再発率を減少させたが,1990年代以 降はもはや当たり前のものになり,生活習慣病や喫煙などの動脈硬化リスクや頸動脈狭窄 などの大動脈疾患に対する評価と介入の重要性が増加している. 本稿では,ルーチンで行われることの多い,頸動脈二重超音波検査(頸動脈エコー),心 臓超音波検査(心エコー),Ankle Brachial Index(ABI)の評価のポイントと,結果を踏ま えた介入に関して解説する.
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