特集 ストップ! CKD 「腎臓を守る」包括的な視点
○○とCKDの深い関係 薬学管理が必要な理由⑦ 便秘症
平田 純生
1
1I&H株式会社 学術研修部
pp.710-716
発行日 2024年4月5日
Published Date 2024/4/5
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2024050015
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Key Points
慢性腎臓病(CKD)患者の便秘症は腎機能悪化や心血管病変の発症,生命予後の悪化に関与しており,腸内細菌によって産生される尿毒素の産生増加・排泄低下による「腸腎連関」が問題になっている.
CKD患者の便秘症は患者の高齢化,カリウム制限による食物繊維不足,水分制限,副作用で便秘を引き起こしやすい薬剤の投与,免疫能低下による抗菌薬投与,刺激性下剤の乱用による腸内細菌叢の乱れなどの原因が複合して発症する.
血液透析(HD)患者では上記に加え,薬剤性便秘やHD中の除水により,便秘症の発症頻度は腎機能正常者の5~10倍高い.HDに伴う腸閉塞は死亡原因の上位を占めており,HD患者の便秘症は極めて深刻な合併症である.
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