Japanese
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巻頭言
日本老年看護学会の社会的活動と会員への期待
Social Activities of Japan Academy of Gerontological Nursing and Expectations for Members
湯浅 美千代
1
Michiyo Yuasa
1
1順天堂大学大学院医療看護学研究科
1Juntendo University, Graduate School of Health Care and Nursing
pp.3-4
発行日 2023年7月31日
Published Date 2023/7/31
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- Abstract 文献概要
この数日,「日本学術会議」という団体に関する報道がされている.2022年12月,内閣府から出された「日本学術会議の在り方についての方針案」に対し,日本学術会議が再考を求める声明を出した.権力によって研究活動が制限されたり,発言が脅かされたりする可能性への危機感からの動きである.各学会等からも再考を求める声があがり,日本看護系学会協議会や日本看護系大学協議会もその声明への支持を表明した.2023年4月18日に日本学術会議から政府に対し,法改正案提出を見合わせ真摯な対応を求める旨の勧告が出され,4月20日には法改正案の国会提出が見送られた,という経緯である.これは,われわれに全く関係がない話ではない.日本老年看護学会も日本学術会議の協力学術研究団体となっているからである.
学術的な観点から発言できる日本学術会議に看護学の研究者が参画するのは容易ではなかった.地道な働きかけの結果,手掛かりがつかめた時期である2001年に,看護系の学会が集まり組織的に動こうと設立されたのが「日本看護系学会協議会」である.その後,日本学術会議の組織改編があり,看護系の各学会が協力学術研究団体となること,看護の学会からも会員,あるいは連携会員として参画できるようになったことから,現在,日本看護系学会協議会は「看護系の学会相互の連携と協調をはかることで看護学の発展に寄与するとともに,社会や国に対し重要な課題を発信していく」という目的で活動している.本学会を含む計49の看護系学会が所属し,日本学術会議と連携するほか,各学会共通の課題,例えば,災害や倫理(利益相反),ガイドライン策定といったテーマでの活動が行われている.
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