Japanese
English
実践報告
急性期病院における看護師と認知障害を伴う高齢患者との信頼構築のプロセス―看護実践の基盤となるもの
The Process of Building Trust between Nurses and Elderly Patients with Dementia in Acute Care Hospitals: Basic Principles of Nursing Practice
上岡 千夏
1
,
小山 千加代
2
Chinatsu Kamioka
1
,
Chikayo Koyama
2
1新潟大学医歯学総合病院
2新潟医療福祉大学看護学部
1Niigata University Medical and Dental Hospital
2Department of Nursing, Niigata University of Health and Welfare
キーワード:
急性期病院
,
認知症
,
高齢患者
,
信頼
,
看護
Keyword:
急性期病院
,
認知症
,
高齢患者
,
信頼
,
看護
pp.71-78
発行日 2022年1月31日
Published Date 2022/1/31
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
抄録
本研究は,看護実践の基盤となる「信頼」に焦点をあて,急性期病院に勤務する看護師によって語られた信頼構築に関するケアの体験から,看護師と認知障害高齢患者との信頼構築のプロセスを明らかにすることを目的としている.A県内の急性期病院2施設に勤務する看護師5人に,インタビューガイドを用いた半構造化面接を行った.その結果,看護師と認知障害高齢患者との信頼構築のプロセスは,【たいへんな患者に身体抑制して苦痛を与える傷つき合う関係】という出会いから始まり,【ひとりの人間としての理解とケアの省察から生まれる認め合う関係】が築かれ,【患者の変化にみる通じ合う関係】という両者の「信じて頼り頼られる」瞬間の共有という相互関係の深まりに至るプロセスとして解釈され,「人間対人間の看護」と《患者の気持ちよさや笑顔を求めてケアする》という看護の基本が重要であると示唆された.特に,《ケアで苦痛を与えていることに気づく》とともに,《認知症の人もひとりの人間であることに気づく》という価値の感得が認知障害高齢患者の看護を実践するうえで重要であると示唆された.
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