資料
高齢患者のせん妄への看護介入に関する文献検討
菅原 峰子
1
Mineko Sugawara
1
1慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科後期博士課程
1Doctoral Course, Keio University Graduate School of Health Management
キーワード:
高齢患者
,
せん妄
,
看護介入
,
介入効果
,
文献検討
,
elderly patients
,
delirium
,
nursing intervention
,
intervention effect
,
review
Keyword:
高齢患者
,
せん妄
,
看護介入
,
介入効果
,
文献検討
,
elderly patients
,
delirium
,
nursing intervention
,
intervention effect
,
review
pp.94-103
発行日 2011年11月30日
Published Date 2011/11/30
- 販売していません
- 文献概要
- 参考文献
抄録
本研究の目的は,国内外の高齢者のせん妄に対する看護介入研究の実証方法,看護介入内容と効果を整理し,せん妄の予防,早期離脱に向けた看護介入方法開発における課題を明らかにすることである.検索した90研究から15研究を精選し,実証方法では研究デザイン,対象者,介入効果のアウトカム指標の傾向の分析,介入方法では介入内容の傾向の把握と介入効果を示した内容の抽出を行った.
実証方法では,よくデザインされた非ランダム化試験が多く用いられ,対象者では多くの研究の対象者数は十分であったが,ベースラインでのせん妄の徴候の有無,入院となった主要疾患は各研究で違いがあった.介入内容には「看護者がせん妄ケアとして行う具体的なケア方法の提示」「看護スタッフへの教育」「専門的知識をもつ看護師の介入」「他専門職種との協働」「ケア体制の変革」があり,「看護者がせん妄ケアとして行う具体的なケア方法の提示」「看護スタッフへの教育」「他専門職種との協働」の併用と,せん妄ケアに「認知機能の強化」を含むことが効果的であった.
高齢患者のせん妄に対する看護介入方法開発の課題は,実証方法では組織的な研究体制の構築とランダム化によらない交絡因子の制御,看護介入では介入方法に入院となった主要疾患の特性と治療プロセスを反映させること,せん妄の回復過程を促進する内容の強化であると考えられた.
Copyright © 2011, Japan Academy of Gerontological Nursing All rights reserved.