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研究ノート
施設入所認知症高齢者の家族が事前意思代理決定をするうえで生じる困難と対処のプロセス
Experiences of Families Coping with Difficulties in Proxy Decision-making about Advance Directive for Old Persons with Dementia in Nursing Homes
二神 真理子
1
,
渡辺 みどり
2
,
千葉 真弓
2
Mariko Futagami
1
,
Midori Watanabe
2
,
Mayumi Chiba
2
1佐久総合病院
2長野県看護大学
1Saku Central Hospital
2Nagano College of Nursin
キーワード:
事前意思
,
代理決定
,
認知症
,
家族
,
advance directive
,
proxy decision-making
,
dementia
,
families
Keyword:
事前意思
,
代理決定
,
認知症
,
家族
,
advance directive
,
proxy decision-making
,
dementia
,
families
pp.25-33
発行日 2010年1月15日
Published Date 2010/1/15
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
介護老人福祉施設において,認知症高齢者に代わり,家族が事前意思を代理決定するうえで生じる困難と対処のプロセスを明らかにすることを目的に研究を行った.3か所の介護老人福祉施設において,認知症高齢者の事前意思代理決定を行った家族12名を対象に,事前意思代理決定の過程とその過程で抱えた困難,対処をデータ収集し,内容分析した.
家族の事前意思代理決定のプロセスには,【看取りに関する情報入手】,【看取りのイメージ化】,【高齢者の意思の推測】,【実現可能な看取り方針の決定】,【決定への納得】の5段階が見出された.これらの段階における家族の困難には,【看取りに関する不十分な情報】,【看取りのイメージ化不足】,【現在の高齢者の意思が不明】,【看取りに関する高齢者の意向が不明】,【看取りに対する希望と現実が折り合わない】,【看取り方針の決定が不可能】,【決定後の不確かさに悩む】の7カテゴリーが見出された.それらの困難への対処は,12カテゴリーが見出され,困難への解決と決定の有無により,3類型が見出された.すべての困難に対処し代理決定できた類型は,高齢者の意思の推測を行い,納得できる看取り方針を決定するという特徴があった.看護師は,家族が高齢者の意思を十分に推測できているかというアセスメントの視点をもち,家族と事前意思代理決定のプロセスをともに歩むことが重要である.
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