査読活用のすすめ

はじめに

　1996年に刊行が開始された日本老年看護学会誌も，今回，第8巻1号の発行を迎えた．この間，私は幾度か投稿論文を査読する機会を与えられた．他の看護学領域に比べて教育カリキュラム上の独立が遅れた老年看護学において，査読を受ける投稿者も，査読をする私自身もまだまだ未成熟な側面をもつかもしれない．だからこそ，老年看護学のさらなる発展のために力を出し合わなければならない，という意識で査読に取り組み，本誌の質の保持に貢献するよう努めてきた．

　ここでは，投稿者がより有効に査読を活用する手がかりになることを願って，私なりの査読の方法と査読の際に大切にしていることなどについて述べてみたい．