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Ⅰ.緒言
高齢社会の進展と共に要介護認定者数は増加し2000年は218万人だったのが、2012年では487万人に上っている(厚生労働省,2012)。その要介護認定者の疾患の中で最も多いのが脳卒中である。本論文では脳卒中に焦点をあてて文献検討を行う。その理由は、脳卒中は要介護認定の原因疾患の中で最も多く、介護者の負担が大きいからである。先行研究においても、麻痺や高次脳機能障害など脳卒中の後遺症がある場合、在宅で介護をする人の負担は大きいことが報告されている(Berg,2005;Bugge,1999;Choi-Kwon,2005;Francisco,2009;黒田,2003;McCullagh,2005;Tooth,2005;安田,2011)。さらには介護者への負担との関連要因を文献検討したものもある(Han,1999;米花,2003;東島,2004)。
Han(1999)は脳卒中を患った人の介護者のうつ状態に関連する要因をまとめ、介護者の年齢と健康状態、要介護者の日常生活動作(Activitiesof Daily Living:以下ADLとする)と精神状態が関連するとした。米花(2003)は脳卒中には限定していないが、介護者の介護負担に関連する要因をまとめた。その結果、介護者の健康状態と要介護者の精神状態とADLが関連するとした。東島(2004)は脳血管障害者の介護者の生活の質(Quality of Life:以下QOLとする)に関する研究の現状を明らかにするために文献検討をし、介護者の負担とQOLに関しては要介護者のADLと不安・記憶等が、介護者側の要因として健康度や年齢が影響するとした。しかし、統計的に有意な要因についてまとめた結果ではない。
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