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日本看護科学学会は平成22年6月1日をもちまして,一般社団法人から公益社団法人となりました.このニュースを日本看護科学学会誌第30巻第2号の巻頭言として皆様にお届けすることができるのは,とても嬉しいことです.これまでの会員の皆様の変わらない意志とそれぞれの時期にその思いを具体的形として執行してきた歴代理事長ならびに執行役員の真摯な取り組みがあってこそ実ったものだと実感し,深く敬意を表します.日本看護科学学会(以下学会)が新たな公益法人法のもと,学会として2番目に公益認定を受けたという事実は,これまでの学会の総意の結晶であり,次の時代への大きなチャレンジとしてとても重たいものだと受け止めています.
これまでの経緯をここに述べるために学会総会の議事録を見直してみました.10年以上の取り組みであり,このプロセスは学会ホームページにも詳しく載っています.学会創立20年を迎える時期(平成10年から11年)に学会の将来のあり方を検討する将来構想委員会を立ち上げ,その答申の一つとして社会への責任を果たせる人格を持った組織として学会を法人化する方向性が示されました.平成12年の学会総会で,「法人化準備委員会の設置」が承認されています.平成13年1月から社団法人としての条件を整えるための具体的活動が開始され,平成13年学会総会では,独立事務所の設置が認められ,翌平成14年1月には東京/本郷に独立事務所を置き,会員管理等これまで外部委託していた業務を事務所で行える体制を整え始めました.平成16年の総会では,「可及的速やかに社団法人化を目指す」ことが決議され,学会の主務官庁である文部科学省との折衝や他学会との話し合いを進め,法人化の実現に向けて検討が重ねられました.しかし,当時の公益法人法では本学会を社団法人化することが困難であり,平成17年の総会で将来の公益化を見据え,「中間法人化を検討する」ことが認められました.平成18年12月の第26回日本看護科学学会総会において,「有限責任中間法人日本看護科学学会定款」が認められ,平成19年1月30日に有限責任中間法人として登記されています.任意団体から法人になる最初のステップから,組織改正や定款改正が行われる度に,学会としてのあり方を守りつつ法人法を遵守する上でのすりあわせが慎重に行われています.
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