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日本看護診断学会第16回学術大会報告 看護診断と研究・教育・実践―あなたの求めるものをかたちにして
【招聘講演】
2.疼痛アセスメントを基盤に看護アセスメントを考える
Pain Assessment and Implications for Understanding Nursing Assessment
北原 保世
3
,
黒江 ゆり子
4
Hesook Suzie Kim
1,2
1University of Rhode Island College of Nursing
2Institute of Health Buskerud University College
3慢性看護研究会
4岐阜県立看護大学大学院看護研究科
pp.68-79
発行日 2011年3月15日
Published Date 2011/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004100336
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疼痛アセスメントにかかわる私の研究を紹介し,看護アセスメントに関する考えを皆様と共有する機会をもつことができ,うれしく思う.疼痛と疼痛アセスメントに関する議論を進め,看護アセスメントに関する私見を示し,皆様を行動科学の枠組みに導き,この観点から疼痛アセスメントに関する私たちの研究を示そうと思う.後半では,批判的熟考的探究(critical reflective inquiry: CRI)を疼痛アセスメントの改善方法として取り上げようと思う.
疼痛は普通の生活を営んでいる人々においても,入院加療を受けている患者や施設に入所している人々にとっても重要な徴候であり問題である.研究結果によれば,入院患者あるいはナーシングホーム入所者の50~80%以上の人々が疼痛を経験するとされている.臨床で皆様が最近ケアをした患者のうちで,主訴が疼痛である人は少なくとも1人は思い浮かべることができると思う.疼痛は身体機能とQOLに大きな影響を及ぼし,障害や死亡へとつながる.疼痛は,睡眠・可動性・食事・抑うつや怒りなどの感情,および社会的相互作用の質に影響を及ぼす.入院患者の疼痛は,入院期間,回復の遅延,およびアウトカムの低さに影響しやすい.
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