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血液透析患者における5-D itch scale(5-Dかゆみスケール)日本語版の信頼性の検証
足日 和美
1
1姫路獨協大学看護学部看護学科
キーワード:
透析
,
かゆみ
,
信頼性
,
再テスト法
Keyword:
透析
,
かゆみ
,
信頼性
,
再テスト法
pp.18-24
発行日 2023年4月30日
Published Date 2023/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003200287
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【目的】5-D itch scaleは,2010年米国のElmanらが開発したかゆみの評価尺度である(Elman et al., 2010).5-D itch scaleの信頼性と妥当性の検証はElmanら(2010)が報告し,日本では江畑ら(2015)が内的整合性と成人性アトピー性皮膚炎患者に対する信頼性を報告している.しかし,透析患者を対象とした検討はない.本研究の目的は,透析患者を対象として5-D itch scaleの信頼性について検証することである.
【方法】血液透析患者における5-D itch scale日本語版の信頼性は再テスト法を用いて週末の透析後に1週間空けて,同意を得た関西地区2施設の患者64名に対し,5-D itch scale日本語版のアンケート調査を実施した.
【結果】研究対象者64名のうち,5-D itch scale日本語版に不備があったものを除いた54名(有効回答率84.3%)を分析対象とした.透析患者のかゆみに対して5-D itch scale日本語版の総得点における相関係数(スピアマンの順位相関係数)は,0.763であった.しかし,下位項目の1つである「かゆみの持続」では相関係数が0.303となり信頼性は確認されなかった.
【結論】現段階において5-D itch scale日本語版は,透析患者のかゆみに関する看護介入研究や治療に関する評価に用いるには,配慮が必要である.
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