【調査報告】
4.Geriatric Nutritional Risk Index(GNRI)を利用した栄養評価―外来維持血液透析者の現状
川村 路代
1
,
古澤 美子
1
,
木下 光江
1
,
熊木 貴子
1
1社会保険滋賀病院腎センター
pp.95-99
発行日 2010年11月15日
Published Date 2010/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100422
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Ⅰ.はじめに
血液透析者は食事制限による蛋白摂取量の低下,各種透析療法によるアルブミンの喪失,合併症など,さまざまな要因が加わり,栄養障害に陥りやすい.低栄養状態が続くことは,QOLの低下,さらには生命予後にも影響を及ぼすため,栄養障害を見つけ出すことは非常に重要であり,簡便で正確性の高い栄養スクリーニングツールが必要とされている.
現在,注目されている栄養スクリーニングツールにはさまざまなものがあり,当院でも昨年より栄養サポートチームが導入され,入院患者にはSubjective Global Assessment(以下,SGAと称す)を改良した栄養評価を入院時に行っている.しかし外来患者はまだその対象にはなっておらず,また血液透析者にはSGAによる栄養評価がうまく当てはまらなかったこともあり,ほかの評価方法を検討した.
血液透析者用に開発された栄養アセスメントツールには,SGAを改良したMalnutrition-Inflammation Score(以下,MISと称す)があり,これは問診とSGAの身体所見の浮腫と腹水を除き,BMI,血清アルブミン,総鉄結合能を加えた10項目で評価する.MISを用いることも検討したが,主観的評価が中心であるため,160名前後の外来維持血液透析者に実施するには,測定者間の誤差が生じやすいことを考慮し,今回は客観的評価のみで,簡便で正確性が高いと有用性が報告されているGeriatric Nutritional Risk Index(以下,GNRIと称す)を使用し,当院外来維持血液透析者の栄養状態の現状を評価した.
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