Japanese
English
◆研究と報告
道具の操作獲得が模写に及ぼす影響—痙直型両麻痺児一症例を通して
The Relationship between Manipulation of Tools and Copying of a Pattern for a Spastic Diplegia Patient
原 義晴
1
Yoshiharu Hara
1
1ボバース記念病院
1Bobath Memorial Hospital
キーワード:
痙直型両麻痺児
,
操作
,
模写
Keyword:
痙直型両麻痺児
,
操作
,
模写
pp.245-253
発行日 1994年8月15日
Published Date 1994/8/15
- 販売していません
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要旨:道具操作が困難であり,模写能力も不十分な就学前の痙直型両麻痺児の作業療法を担当した.本児の道具操作は中枢部を屈曲位で固定して行い,上肢・手の多様な運動が阻害されていた.視覚的識別能力は比較的良好であった.それに比べ模写能力が低下していた.その理由を上肢・手の運動の方向性や力の調整といった感覚運動学習がなされていないためと推定した.作業療法では,道具の使用の実用性の向上を目標に実際の道具を使用させながら姿勢の修正と動きの誘導を行いつつ,道具の操作時に起る対象物からの抵抗感覚の入力を心がけ,道具の機能的特性を学習させた.操作の指導は4段階に分けて行った.7ヵ月間の作業療法実施中に道具の操作能力が向上し,それと共に模写能力も向上した.本症例における道具の操作能力と模写能力との関連を考察し,道具操作指導の意義について検討したので報告する.
Copyright © 1994, Japanese Association of Occupational Therapists. All rights reserved.