慢性関節リウマチ母指変形に対する皮革スプリントの試み

Leather Splint for Thumb-deformity in Rheumatoid Arthritis

要旨：古典的慢性関節リウマチ，9症例12手の母指変形に対し，皮革スプリントの作製を試み，その適応について検討した．方法は，スプリント装着，非装着時各々について，ROM，レントゲン像，把持機能，ADL等について比較した．結果は，従来の材質と比べ，比較的作り易く，安価で，装着率も良かった。スプリント装着による把持機能，握力，ピンチカの改善は，ADLにも反映された．これは，関節の安定性が得られた事のみならず，変形の要因となっている筋・腱のタイトネスが抑制され，本来の働きが促された事によるものと考えられた．検討結果より，RA母指変形に対し，このスプリントは，適応できるものと考えられた．