Japanese
English
◆ケーススタディ
人間作業のモデルに基づく症例検討—青年期初期からの自己否定感が作業役割の発達を妨げた精神分裂病患者の1症例
A Case Study from the Viewpoint of the Occupational Behavior and the Model of Human Occupation : a Schizophrenic Patient with Occupational Role Dysfunction
鎌田 樹寛
1
,
山田 孝
2
Tatsuhiro Kamada
1
,
Takashi Yamada
2
1北海道立緑ケ丘病院
2北海道大学医療技術短期大学部
1Hokkaido Prefectural Midorigaoka Hospital
2School of Medical Technology, Hokkaido University
キーワード:
作業行動
,
人間作業のモデル
,
精神障害
,
Occupational Behavior
,
Model of Human Occupation
,
Psychiatric Disorder
Keyword:
作業行動
,
人間作業のモデル
,
精神障害
,
Occupational Behavior
,
Model of Human Occupation
,
Psychiatric Disorder
pp.57-64
発行日 1988年10月15日
Published Date 1988/10/15
- 販売していません
- Abstract 文献概要
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- 参考文献 Reference
要旨:青年期初期からの自己否定感が自己および対象に対する病的解釈を生み出し,その後の作業役割の発達がみられないまま入退院を繰り返してきた精神分裂病者の症例を,作業行動および人間作業のモデルに基づき解釈し,治療目標を立て,3年半にわたり,作業療法を実施した。作業療法場面は,本症例に探索行動を促し,その中で有能感と達成感とを獲得するような物理的,人的環境への配慮がなされた。本症例は作業療法の体験により,技能の改善と作業役割の獲得が図られた。また,良好なフィードバックを通して,現実的な価値目標を設定するようになった。さらに,本症例の行動は作業療法以外の場面へと般化するなど良性の循環を始めた。最後に,人間作業のモデルの臨床的有効性に触れた。
Copyright © 1988, Japanese Association of Occupational Therapists. All rights reserved.