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特集 慢性疼痛のリハビリテーション医療Up To Date
5 慢性疼痛の脳内メカニズム
Brain Mechanisms of Chronic Pain
森岡 周
1
Shu Morioka
1
1畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター
キーワード:
慢性疼痛
,
報酬系
,
下行性疼痛抑制系
,
運動恐怖
,
感覚-運動ループ
Keyword:
慢性疼痛
,
報酬系
,
下行性疼痛抑制系
,
運動恐怖
,
感覚-運動ループ
pp.1243-1249
発行日 2021年11月18日
Published Date 2021/11/18
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要旨 痛みの慢性化は脳の機能不全として知られている.例えば,報酬予測と意思決定にかかわる前頭前野と側坐核の機能的連結の異常が痛みの慢性化に関与する(脳報酬系の機能不全).また,前頭前野の活動が減弱することで下行性疼痛抑制系の機能不全が示されている(下行性疼痛抑制系の機能不全).一方,運動恐怖が原因で運動制御に異常をきたしたり(運動恐怖に基づく不適応),患肢の使用頻度減少により体部位再現が狭小化する(脳内身体地図の変容)ことが知られている.さらには,感覚-運動ループの破綻に起因し,頭頂葉に機能不全を起こすケースもみられ,身体意識の変容をもたらすことがある.本稿ではこれらについて解説した.
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