巻頭言
リハビリテーション医学・医療のイノベーション
島田 洋一
1,2
1秋田県立療育機構
2秋田大学
pp.1090
発行日 2021年10月18日
Published Date 2021/10/18
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- 文献概要
昨年初頭に始まった新型コロナウイルス感染は,現在第5波を迎え,人々の生活を一変させ,経済,教育,心のあり方などあらゆる方面に深刻な影響を及ぼしている.100年に一度といわれるパンデミックの中でも,人々は新たな生活様式に対応している.中でも学会開催は大きな変革を余儀なくされている.私は昨年8月,第57回日本リハビリテーション医学会学術集会を国立京都国際会館で主催したが,延期,中止の可能性なども含め,大きな決断の連続であった.しかし,久保理事長はじめ役員,近畿地区の先生方,同門,会員の皆様の多大なご支援のおかげで,1人の感染者もなく開催できた.本会は,大規模医学会としてはわが国初のハイブリッド開催で,先行事例がない中,運営事務局と試行錯誤で無事企画することができた.ハイブリッド開催を可能にしたのは,Zoomなどオンラインシステムのおかげである.世界中でテレワークが日常化し,学会もオンライン開催が支障なく行われている.正にイノベーションであり,アフターコロナでもその利便性,集客力において主流となり得る.今後のアカデミズム発揚には必須であろう.
筆者が医師になった40年前,まだPCは普及しておらず,初めての論文作成は原稿手書き,図表は製図板でつくり,提出すると教授から赤鉛筆で真っ赤になって返ってきて,何度も手書きを繰り返すというものであった.今では,子どもでも簡単にPCでアピール度抜群の動画入りスライドがつくれる.さらに,音声付きMP4データによる発表が可能であるため,通信環境さえあれば,膨大な発表演題数を提供できる.今回の学会もこれがあったために行えたと思う.
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