Japanese
English
研究
注意障害を呈したクライエントが退院後の生活に『馴染む』プロセス—複線径路等至性モデリング(TEM)による分析
The process by which a client with attention disturbance has come to feel “Familiarity” with the life after discharge home—Analyzing with Trajectory Equifinality Modeling(TEM)
崎本 史生
1,2
,
藤原 瑞穂
3
Fumio Sakimoto
1,2
,
Mizuho Fujiwara
3
1神戸リハビリテーション病院リハビリテーション部
2神戸学院大学大学院総合リハビリテーション学研究科
3神戸学院大学総合リハビリテーション学部
キーワード:
脳血管障害
,
回復期リハビリテーション病棟
,
注意障害
,
質的研究
Keyword:
脳血管障害
,
回復期リハビリテーション病棟
,
注意障害
,
質的研究
pp.638-643
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200935
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要旨 本調査の目的は,注意障害を呈する脳血管障害者が回復期リハビリテーション病棟から自宅へ退院した後,退院後の生活にどのように『馴染む』かを明らかにすることである。A氏は70歳代女性で夫と暮らしていた。脳出血発症後,回復期に約4カ月入院し,自宅退院した。方法はA氏と夫に半構造的インタビューを実施し,複線径路等至性モデリング(TEM)を参考に質的に分析した。結果,A氏は病前の家に戻ったはずが,今までの家とはどこか違う違和感を感じた。その中でA氏の作業である家事の再開が始まるも,入院中に家を切り盛りしてくれた夫が,自分の動きやすいよう環境を作り変えていた。慣れない環境に戸惑いながらも,徐々にA氏自身で環境の作り直しが行われた。そして夫と家事の分担が可能となり,役割の再獲得がなされた。以上から,A氏にとって生活に『馴染む』とは,家での環境に慣れ,失われた役割を再獲得するプロセスであると考えられた。
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