連載 感性の輝き・第30回
訪問リハにより実現した旅行
北井 明子
1
1訪問看護リハビリステーションくらよし
pp.899
発行日 2015年12月15日
Published Date 2015/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200281
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私の勤務する法人は鳥取県中部に位置しており,医療施設・高齢者施設・障害者施設・保育施設を有し,「医療—介護—予防—住まい—生活支援」までの一体的な地域包括ケアシステムの構築に取り組んでいます。その中でも在宅医療・介護を担う,「訪問看護リハビリステーションくらよし」で訪問STとして働き始めて2年がたとうとしています。
それまで病院内でリハをしていた私が当初抱いていた訪問リハへの印象は,退院時においてもなんらかの障害が残存し,リハを継続して機能改善を図りながら自宅での生活を過ごしやすくすることを目的としたものであったように思います。実際に訪問リハで行う内容は,嚥下障害のある方には嚥下機能訓練,構音障害がある方には構音訓練といった機能訓練が中心で,訪問頻度は週1回程度の利用がほとんどであり,本当に意味のある支援ができているのだろうかと,疑問に思うことも少なくありませんでした。そんな私の考えを変えるきっかけとなったのが,ある夫婦の外出支援でした。
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