CBR eye's
「暮らし」という作品—11月の5日間(小山内美智子さんとの合宿記)前篇
河本 のぞみ
1
1訪問看護ステーション住吉
pp.348-353
発行日 2015年5月15日
Published Date 2015/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200113
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私が小山内美智子さんの名前を知ったのは,「みちことオーサ」1)という映画の予告編だった。1984年頃だろうか。本編は結局見なかったし,オーサを小山内さんのニックネームだと勘違いしたまま,数年過ぎた。「札幌いちご会の小山内美智子」と聞こえるようになってきても,いちご会を可愛らしい名前(果物のイチゴと思った)と思っただけだった。それでも,小山内美智子という名前は,どこか気になると見えて,自分のアンテナに引っかかるたびに,ピクンと反応していた。
『あなたは私の手になれますか』2)という本は,ずいぶん話題になったし,新聞などでも紹介されたと思う。「私はケアを受けるプロ」というはっきりした当事者の態度表明は,ものすごく納得したと同時に,何かを突きつけられるようなちょっと恐い気もした。本は読まなかった。
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